新世社から
新しい経済学ライブラリが誕生

待望の第1弾テキストが刊行されます

講義をしていて、こんな課題(悩み)はありませんか?

  • 学生が抽象的な理論や数式でつまずいてなかなか学習意欲が高まらない。
  • 「経済学は現実社会と関係ない」「役に立たない」と感じている学生がいる。
  • 知識だけではなく、「経済学の考え方」を身につけて欲しいが良い教科書が見当たらない。
  • ここをクリックして表示したいテキストを入力してください。

新刊
『経済学Basics』

本書籍は具体的なストーリーから学び始めることで、学生が「最新の経済学の考え方」を自然に理解し、自発的に考え“経済学的思考”を身につけるためのベーシック・テキストです。

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 2025年12月19日出来予定 

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新世社から新しいライブラリが誕生しました
大竹文雄先生 編集

ライブラリ経済学Basics & Frontier

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最新の経済学を学び、最強の思考ツールである“経済学的思考”を身につけるためのテキスト&ライブラリ

現代の経済学を学ぶうえで必須となる科目を精選した<Basics>と,第一線の研究者が経済学研究のフロンティアにおけるビビッドなトピックをわかりやすく紹介する<Frontier>より構成。

Basicsの特徴

●はじめて学ぶ読者に向けて,基本となる概念,専門用語,理論の展開を丁寧に説明することで,基礎的知識を体系的に身につけられるよう配慮。

●確認問題,練習問題を豊富に設けることで,自発的に学びながら知識の定着を図ることができるよう構成。

●経済学の理論と現実社会との結びつきが具体的にイメージしやすいよう,事例や数値例を豊富に織り込んで解説。
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「ライブラリ 経済学Basics & Frontier」 のねらい

「法律学は社会で役に立つが,経済学は役に立たない」と思っている人が多いのではないでしょうか。需要と供給の議論や抽象的な経済学の理論は,実践的ではないと思っている人が多いかもしれません。経済学を学んだうえでそう思う人たちが多かったとすれば,それは経済学の教育の仕方に問題があったのではないかという思いで,この新しい経済学の教科書のライブラリを企画しました。
現在の経済学は,企業経営にも個人の生活設計にも経済政策にも役立つものです。それは,何かの仕組みを考える際には,人々のインセンティブを考えておくことが必須だからです。経済学は,人々のモチベーションを引き出すようにインセンティブをうまく組み込んだ仕組みを考えることを重視した学問です。そうして考えられた仕組みがうまく機能しているのかを検証することも経済学で行えます。実際,様々な企業や組織で経済学的な考え方に基づいて,制度が作られています。インセンティブをうまく考えて作られた制度のもとでは,私たちの生産性は高まります。また,私たちの暮らしもよりよいものにできます。
最新の経済学の考え方を学生が理解しやすいような教科書のライブラリを作るためには,その趣旨を理解してくれる経済学者の協力が必要です。
まず,経済学者の中でも授業がわかりやすいという評判が非常によい先生たちに協力してもらいました。また,このライブラリの趣旨を理解してもらうために,私が執筆した『経済学Basics』の原稿を読んでもらいました。
執筆に協力頂いた方々のおかげで素晴らしいライブラリになると確信しています。

                                                                ライブラリ編者 大竹 文雄

経済学教育に携わる教員のみなさまへ


本書は,大学1 年生を中心とする初学者を対象に「合理的意思決定の原理」と「現実の行動の多様性」を体系的に理解できるよう設計された入門書です。
理論の導入を抽象的な数式ではなく具体的なストーリーから始める構成とし,学生が自ら考える過程を重視しています。ストーリーから学ぶので,経済学の用語の単なる記憶ではなく,経済学の考え方を自然に理解できるようになっている点に特徴があります。
まず,本書でいう「合理性」は,一般的な意味での「正しさ」や「道徳的に望ましい行動」を意味するものではありません。この点は,本書で取り扱う行動経済学の理解とも関わりますので,学生に丁寧に説明して頂ければ幸いです。
経済学における合理的意思決定とは,個人が自らの選好に基づき,与えられた制約のもとで効用(満足)を最大化するように行動しているかどうか,という行動と選好の整合性を指します。経済学は「どのような選好が望ましいか」という価値判断を下す学問ではなく,人々が持つさまざまな価値観のもとでどのような行動が観察されるかを分析する学問です。
したがって,「たばこを吸う人は非合理的」といった倫理的な評価とは異なり,その人の選好と行動が一致しているかどうか,すなわち効用最大化の行動をとっているかが合理性の基準となります。もし,将来よりも現在が大事だということで,貯金をしない人がいたら,合理的な行動だと経済学では考えます。しかし,お金を貯めたいと思っているのに,浪費している人がいたなら,それは非合理的行動だと考えるのです。この点を明確に伝えることで,学生が経済学を「人を裁く学問」ではなく「人を理解する学問」として受けとめることができます。

第1~ 4章では,農業・コンサート市場・スポーツ・落語など多様な題材を用い,ミクロ経済学とゲーム理論の基本概念(機会費用,サンクコスト,社会的余剰,社会的選好,代替と補完,情報の非対称性,囚人のジレンマなど)を直感的に導入しています。

特に第1章では,直感的判断と合理的判断の違いを通じて,経済学的思考の出発点を理解させます。ここでも「合理性=行動と選好の整合性」という原則を意識させることが重要です。

第2章では,市場競争のもとで社会的余剰が最大化されるという効率性の原理と,人々がもつ社会的選好─公正さや互恵性─の影響を対比的に考えさせます。

第3章では,代替と補完の考え方を応用し,外国人労働,技術革新,比較
優位,さらには家事分担の合理性までを結びつけて説明します。

第4章では,オークションや情報の不完全性を扱い,パンデミック時の買い占め行動,銀行の取付け,囚人のジレンマといった実例を通して,協調と信頼の重要性を学びます。

第5~ 7章では,金融リテラシー・ファイナンス・行動経済学をテーマに,合理的理論と心理的バイアスの両側面から現実の意思決定を理解させます。

本書の教育的目的は,「経済学はお金儲けだけを教える学問ではなく,よりよい人生と社会をデザインするための学問である」ということを学生に実感させることです。
そのため,四則演算レベルの平易な説明と,章末の練習問題・ディスカッション課題を組み合わせ,授業でも自習でも活用できる構成としました。
問題は,合理的思考の定着に加え,公正・互恵性や行動バイアスなどを自ら発見する仕組みになっています。

◆授業での使い方(15回授業の運用例)

本書は,1 回90分×15回の学期授業で無理なく使えるように構成されています。
以下はその一例です。講義・演習・討論を組み合わせることで,理解と応用をバランスよく身につけられます。 

授業では,各章を「前半:ストーリーと理論」「後半:練習問題と討論」で構成すると,学生が自分の言葉で考えやすくなります。
特に第1章の段階で,「経済学における合理性とは,価値判断ではなく,行動と選好の整合性を問うものである」ことを明確に教えると,以降の章での理解が格段に深まります。
また,章末問題は小テストやレポート課題としても活用でき,アクティブラーニング型の授業にも適しています。数式やグラフの扱いは必要最小限にとどめているため,文系学生を中心とした一般教養科目・初年次セミナーでも使用可能です。
本書が,学生には自分の行動と社会を見つめ直す鏡となり,教員にとっては「考える経済学教育」を実践するための教材となることを願っています。

 2025年10月
                              大竹 文雄

ライブラリ編者
大竹文雄先生のプロフィール

大阪大学感染症総合教育研究拠点特任教授・大阪大学大学院経済学研究科教授(兼任),大阪大学栄誉教授,京都大学経済研究所特任教授。
京都大学経済学部卒業,大阪大学博士(経済学)

関心分野

労働経済学・行動経済学

担当授業科目

行動経済学関連科目

所属学協会

日本財政学会,都市住宅学会,American Economic Association,法と経済学会,日本応用経済学会,日本不動産学会,日本DOHaD研究会,日本労使関係研究協会,行動経済学会,日本経済学会

主な委員歴
2020年6月 - 2021年5月日本経済学会, 会長
2013年12月 - 2015年11月行動経済学会, 会長

主な受賞歴
サントリー学芸賞(2005年),日経・経済図書文化賞(2005年),エコノミスト賞(2006年),日本経済学会・石川賞(2006年),日本学士院賞(2008年)

主な著書
『日本の不平等』(日本経済新聞社),『経済学的思考のセンス』『競争と公平感』『競争社会の歩き方』『行動経済学の処方箋』(中公新書),『行動経済学の使い方』(岩波新書),『経済学者のアタマの中』(ちくまプリマー新書)など

※より詳しいプロフィールは下記リンクからご参照ください

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ライブラリ経済学Basics & Frontier  1
経済学Basics
大竹文雄(大阪大学特任教授) 著

定価:2,695 円(本体:2,450円+税)

ISBN:978-4-88384-420-3

サイズ:並製A5

ページ数:264ページ

豊作貧乏に直面した農家の採るべき道は? チケット転売は何が問題なのか? 賢く資産をふやす秘訣とは? 本書はこれから経済学を学ぼうとする読者に向けて,こうした事例をもとに経済学のベーシックな考え方を解説した「入門の入門書」です.確認問題を豊富に設け,考えながら読みすすめることで自然に経済学的な思考方法やセンスを身につけられるよう構成されています.2色刷.

目次

1 もったいないが損になる?―レタス農家の意思決定
1.1 サンクコストとは
1.1.1 農家Aさんの状況
1.1.2 市場価格がいくら以上ならAさんはレタスを出荷すべきか?
1.1.3 栽培費用は常にサンクコストか?
1.1.4 完全競争とプライステーカー
1.2 WTPとWTA
1.2.1 レタスの需要
1.2.2 レタスの需要と供給
1.2.3 需要と供給が均衡すると何がよいのか?
1.3 豊作貧乏のしくみ
1.3.1 生産量の変化と生産者余剰の変化
1.3.2 豊作貧乏にどう対応するのか?
1.3.3 レタスの供給曲線は常に垂直なのか?
1.4 まとめ
第1章 章末問題
第1章 ディスカッションのための課題

2 運か価格か?―チケット転売問題
2.1 需要と供給で考える
2.2 転売市場
2.3 アーティストが利益を最大にしていたなら?
2.4 WTPとWTAはほぼ同じなのか?
2.5 まとめ
第2章 章末問題
第2章 ディスカッションのための課題

3 代替と補完―ラグビー日本代表とAI
3.1 ラグビー日本代表にみる代替と補完
3.2 外国人労働者受け入れの影響
3.3 外国人労働を増やす際に考えるべきこと
3.4 比較優位
3.5 まとめ
第3章 章末問題
第3章 ディスカッションのための課題

4 いくらまで支払いますか?―千両みかんとオークション
4.1 私的価値と価格の決定
4.2 オークション
4.3 囚人のジレンマゲーム
4.4 協調ゲーム
4.5 まとめ
第4章 章末問題
第4章 ディスカッションのための課題

5 賢い貯蓄の方法―現在バイアスに負けない
5.1 賢いお金の貯め方
5.2 今消費するか,将来消費するか
5.3 まとめ
第5章 章末問題
第5章 ディスカッションのための課題

6 賢い資産運用の方法―金融リテラシーを身につける
6.1 金融リテラシー
6.2 株価の決まり方
6.3 効率的市場仮説
6.4 CAPM
6.5 まとめ
第6章 章末問題
第6章 ディスカッションのための課題

7 人間の意思決定の特性を理解する
―行動経済学のエッセンス
7.1 現実の人間の意思決定
7.2 参照点依存
7.3 過信バイアス
7.4 ヒューリスティック
7.5 まとめ
第7章 章末問題
第7章 ディスカッションのための課題
あとがき
本書の次に読む本
参考文献
確認問題の解答・解説
索 引
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続刊のご紹介

ミクロ経済学Basics
ゲーム理論Basics
財政学Basics
国際経済学Basics
統計学Basics
経済数学Basics
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