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ライブラリ 現代の法律学  A1
憲法
小島慎司(東京大学教授) 著

定価:3,410 円(本体:3,100円+税)

ISBN:978-4-88384-409-8

サイズ:上製A5

ページ数:376ページ

本書は,大学で学ぶ学生の利用を想定した憲法の教科書である.全体を通じて,根拠とし,または参考にした文献をできるだけ示すよう心がけた.引用された文献を読むことで,根拠を確かめ,資料や他の著作へと学習の範囲を拡げることができるようになっている.本書を読んでさらに文献を調べることにより,当初分からなかった記述が分かるようになる,といった楽しさも得られるであろう.
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はしがき


本書は,大学で学ぶ学生の利用を想定した憲法の教科書である。
憲法の分野では,すでに,優れた教科書が多数存在している。そのなかで,本書の特徴として挙げられるところがあるとすれば,教科書の形態において許される限り,筆者が根拠とし,または参考にした文献を,順を追ってひとつひとつ示そうと心がけたことにあると思われる。読者は,それらを図書館で読むことで,根拠を確かめ,その文献で引かれた資料や同じ著者の他の著作へと学習の範囲を広げることができる。古い文献を選んだ箇所もあるが,少し分かりにくい文献であっても,あれこれと調べることで,それが書かれた文脈が分かり,内容が腑に落ちることもあるかもしれない。その過程で感じられる楽しさは,他の活動ではなかなか得がたいもののように思われる。
筆者自身の研究関心は,本書の構成や内容にも反映されている。ただ,本書では,それを前面に押し出すことよりも,先行研究を継承し,その整理や再解釈を行うことを通じて,表現しようと努めた。それでも,年齢・研究歴等に由来する限界が加わることで,研究関心から生じる筆者の個性が,歪みとして現れてしまうこともあるかもしれない。しかし,筆者が根拠を示すように努めることにより,読者は,そうした歪みを直すことができる。筆者自身も,今後,改善を心がけることができる。教科書という形態でできることは限られており,その成否は分からないところがあろうが,根拠をたどることができるようにすることの,もう1 つの意味は,そのようなところにあるとも考えられる。
本書の公刊については,長谷部恭男教授が紹介の労をとってくださり,また,新世社の清水匡太氏が慣れない筆者を長期間にわたって辛抱強く支えてくださった。執筆にあたっては,東京海上各務記念財団の助成を受けている。篤く御礼を申し上げたい。
 2025 年8 月
小島 慎司 

目次

第1 章 憲 法 総 論 1
1.1 立憲的意味での憲法 ………………………………………………… 1
1.2 憲法と国法秩序 …………………………………………………… 14

第2 章 日本国憲法の制定と運用 19
2.1 日本国憲法の制定過程 …………………………………………… 19
2.2 制定過程に見られる諸問題 ……………………………………… 21
2.3 戦後日本と立憲的意味での憲法の問題 ………………………… 24
2.4 戦後日本における憲法の変動 …………………………………… 27

第3 章 憲法上の権利・自由総論 37
3.1 憲法上の権利・自由と人権 ……………………………………… 37
3.2 憲法上の権利・自由の論じ方 …………………………………… 46

第4 章 精神と身体の自由 69
4.1 思想・良心の自由 ………………………………………………… 72
4.2 信教の自由 ………………………………………………………… 73
4.3 表現の自由 ………………………………………………………… 80
4.4 身体の自由 ………………………………………………………… 123

第5 章 経済の自由 133
5.1 経済活動の自由 …………………………………………………… 133
5.2 財産的な自由と権利 ……………………………………………… 144

第6 章 手続的保障を求める権利 157
6.1 刑罰権と手続的保障 ……………………………………………… 157
6.2 裁判を受ける権利 ………………………………………………… 172
6.3 国家賠償請求権 …………………………………………………… 176

第7 章 平  等 177
7.1 民主政の到来と平等 ……………………………………………… 177
7.2 民主政の下での平等の意味とその帰結 ………………………… 183

第8 章 統 治 総 論 189
8.1 統治の論じ方 ……………………………………………………… 189
8.2 地位の取扱い ……………………………………………………… 191

第9 章 統治の機構と過程 215
9.1 国  民 …………………………………………………………… 215
9.2 国  会 …………………………………………………………… 233
9.3 内  閣 …………………………………………………………… 249
9.4 裁 判 所 …………………………………………………………… 263
9.5 地方公共団体 ……………………………………………………… 266

第10 章 統治の作用 271
10.1 立  法 ………………………………………………………… 274
10.2 行  政 ………………………………………………………… 288
10.3 司  法 ………………………………………………………… 291
10.4 内容上特別な作用 ……………………………………………… 315

事 項 索 引 ……………………………………………………………………… 349
判 例 索 引 ……………………………………………………………………… 357
著 者 紹 介 ……………………………………………………………………… 365

著者
小島慎司先生(東京大学教授)

小島先生のプロフィール


略歴

2001年 東京大学法学部卒業
2003年 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了
2006年 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学
     (博士(法学))

2007年 上智大学法学部講師
2009年 上智大学法学部准教授
2016年 東京大学大学院法学政治学研究科准教授
2018年 東京大学大学院法学政治学研究科教授

関心分野

憲法

担当授業科目

憲法関連科目

所属学会

日本公法学会,全国憲法研究会,日仏法学会

判例評釈
『憲法判例百選I・II 第8版〔No.273・274〕』(2025年9月)有斐閣
他,書評・寄稿等多数

※より詳しいプロフィール(論文・判例評釈・講演等)は下記リンクからご参照ください

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憲法を学ぶ理由とは

民主主義社会の主権者として理解する憲法

近年,国際情勢の急激な変化にともなって憲法9条をめぐる議論が活発になるなど,憲法に関連するニュースを目にする機会が増えています.
またデジタル社会の進展によって,新しい人権のあり方など,これまでの憲法では想定されていなかった保障されるべき権利の範囲が問われています.

憲法の学びを通して論理的思考力,多角的な分析力が身につきます.

この本をおすすめする理由

根拠を逐一丁寧に示した,信頼できる教科書!

・特定の解釈や学説,判例の根拠を明確に示すことで,読者が客観的な事実に基づき,冷静に問題を分析する能力を養います.
・各学説の根拠となる文献を提示することで,読者が多様な視点から物事を捉え,多角的に検討する思考力を育みます.

根拠が明確な信頼性の高い圧倒される内容の本書は,論理的かつ多角的に憲法問題を理解する力を身につけられます.
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根拠とした文献を注釈で丁寧に示しています

第1章 憲法総論 >1.1 立憲的意味での憲法 >1.1.3 主権
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新世社の「憲法」の
ラインナップをご紹介します

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憲法 
第8版

日本において現に機能している憲法が何か,に重点をおいて記述する長谷部憲法学テキスト最新版.NHK受信料訴訟,岩沼市議会議員出席停止事件,孔子廟事件等に関する新たな判例についての記述を加えるとともに,平和主義,立法の意義,予算,裁判官の良心等,各所で説明の加除補正を行った.


基本講義 憲法
第2版

初学者を配慮し平易な叙述に努め,できるだけ具体例を挙げつつ説明し,2色刷として図解も加えた好評基本書の新版.初版刊行後の法改正や重要判例に対応して改訂,特に「安保法制」によるいくつかの重大な変更に触れ,憲法の平和主義にとって持つ意味に検討を加えた.また法学部の法曹コースの学生や法科大学院生を配慮して先端的論点をコラムで紹介している.

グラフィック憲法入門 第3版

憲法研究の第一人者による好評入門テキストの最新版.第2版刊行後の重要判例に対応して多くの箇所で解説を更新・拡充するとともに,近年重要な憲法訴訟が増加している婚姻や家族に関する規定については章を新設して取り上げ,憲法の現在の姿を分かりやすく示した.左頁に本文解説、右頁に関連する図表・コラムを配した見開き構成.2色刷.


憲法

憲法学の基礎を確実に理解することに意を払い,標準的な解釈論を通説と判例の見地から平明に解説したコンパクトな基本書.とくに初学者にとって誤解されやすい論点については丁寧に説明し,随所に解説図や整理表を挿入して一層の理解を配慮した.2色刷として憲法解釈論上の重要概念をすべて青色で示している.

小見出し

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ライブラリ 現代の法律学の
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刑法総論
第3版

本書は,刑法総論の教科書の改訂版である.改訂にあたっては,本質的な内容はそのままに,最新の立法および学説・判例の動向を反映させ,記述にも言葉を補って,初学者や実体刑法の解釈論から遠ざかっている実務家にもすぐに趣旨が伝わる「親切設計」とした.また,自説の根幹部分は変わらないものの,その論証に際しては,伏在する反対説の説得力にも配慮した.

重要判例集 刑法総論
第2版

本書は,2015年に刊行された『重要判例集 刑法総論』の改訂版である.改訂に際しては,新たに出された判例を既存の判例と差し替え,解説全般をできるだけ分かりやすくなるように書き直した.『刑法総論 第2版』の副読本としてだけでなく,判例ベースの独立した教科書としても最適の一冊になっている.2色刷.


金融商品取引法

本書は,資本市場に関する基本法というべき金融商品取引法を概説した基本書・体系書である.会社法との関係から会社関係者の利害調整のルールまで,著者が実際に行ってきた講義に基づいた解説により,金商法の骨格を理解し,大きな視点を獲得することを目指している.金商法の土地勘を養い,基本的な考えの道筋を理解することができる一冊である.


刑法各論

本書は,刑法各論の入門的教科書である.法科大学院や法曹コースの出現によって法学教育の内容が統一化されてきたことに鑑み,特定の学説に依拠せず,普遍的で分かりやすい内容となるように心掛けた.想定される主な読者は,初学者から予備試験・司法試験受験生,実務家であるが,自習用テキストとしても,教科書指定のない授業の副読本としても十分に役立ち得る一冊となっている.

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